サトウキビを齧った小学生の頃を想い出す  その1

サトウキビ畑(高知県黒潮町8月)

 

サトウキビというとNHKのみんなの歌「サトウキビ畑」(森山良子 歌)を想い出します。

太平洋戦争の沖縄戦と絡んだ反戦歌だそうです。

サトウキビの世界の生産量はブラジル、インド、中国、タイと続いており、ブラジルが40,000万トンであるのに対し、日本では82万トンで500分の1に過ぎません。

日本国内では主に沖縄県で生産されていますが、四国でも少数生産されています。

サトウキビといえば、名古屋に住んでいた小学生の頃、夏休みのおやつでサトウキビの茎を齧ったものです。

単子葉植物なので節になっていて、齧っているとだんだん甘い汁が出てきて、ちゅうちゅうそれを吸ったものです。

母がどんな経路で手に入れてきたのか分かりません。

サトウキビの茎は固くて竹のような感じで、すぐ噛み解せる(かみほぐせる)ようなものでなく、なかなか手ごわいものだした。

それでも挑戦していると、だんだんサトウキビの繊維がほぐれて、その繊維を噛むと甘さを感じるようになってきます。

その当時甘いものが十分になかった時代で、子どもたちはサッカリン入りの人口甘味料の他に、甘いものは自分が挑戦して手に入れるという、そんな時代だったのです。

食べていたサトウキビは茎を節ごとに切ってあったもので、サトウキビの葉っぱは見たことはありませんでした。

イネ科なのでトウモロコシと同じような葉っぱではないかと推定しています。

でも齧っていくうちに疲れてきて、最後は放り出したことも覚えています。

最後まで十分に味わい切った経験がなかったのです。

仙台で小学生にサトウキビを使ってサトウを取り出す活動をさせたことがありました。

まず金槌でサトウキビをバラバラにさせたあと、水にそれを入れて鍋で煮るのです。

煮た後にサトウキビの残骸と水分の部分を分けて、水分の部分を火で煮立てて乾燥させていきます。

水分が少なくなると甘い香りが漂ってきてサトウができるという訳です。

黒糖です。

子どもたちはサトウキビを切ったり叩いたりするだけで、結果的に出来上がるので割りと喜んでやっていました。

沖縄のサトウを取り出す工程では、サトウキビの茎を洗ってから、搾り機でその茎を押し絞ってサトウキビの液を取り出し、それを鍋で煮詰めていきます。

絞った後のサトウキビの残骸からもサトウを採る工夫がなされているのでしょうか。

残骸は牛や豚などの飼料にしたり肥料にしたりしているようです。

この活動は「溶解」の学習で、水などに溶かして必要なものを取り出す作業の実践です。

「溶ける」と「溶けていない」区別の理解にも進んでいけます。

絵の具は溶けませんが、コーヒーは溶けています。

透明になるかならないかで判断できます。

理系に弱い私でも理解できそうですー。

(イネ科 サトウキビ属) 

カモ撮りこうちゃん